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「みどりの食料システム戦略」と有機農業推進の補助金について

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近年、世界的に有機農業や地球環境に優しい農業への転換が叫ばれています。有機農業は、生物多様性保全や地球温暖化防止等に高い効果を示すなど SDGsの達成に貢献するものです。

最近では、国が「みどりの食料システム戦略」「みどりの食料システム法」を策定し、有機農業を積極的に推進しています。

この記事では、「みどりの食料システム戦略」の概要や関連する補助金について、農業者向けに解説します。

※この記事は2023年11月時点の情報です。補助金の内容等の変更や公募が終了している可能性もあるため、必ず各公募の公式ページをご確認ください。

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「みどりの食料システム戦略」とは

「みどりの食料システム戦略」とは、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するために農林水産省が策定した戦略です。通称、みどり戦略と呼ばれることもあります。

みどりの食料システム戦略 概要(農林水産省ホームページより)

我が国の食料・農林水産業は、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があります。

このような中、健康な食生活や持続的な生産・消費の活発化やESG投資市場の拡大に加え、諸外国でも環境や健康に関する戦略を策定するなどの動きが見られます。

今後、このようなSDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっています。

このため、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。

みどりの食料システム戦略を推進するため、国(農林水産省)により戦略に基づいた予算が策定され、各自治体などから生産者へ交付される補助金があります(→補助金についてはこちら)。

また、みどりの食料システム戦略を推し進めるため、みどりの食料システム法が令和4年4月22日に制定、7月1日に施行されました。みどりの食料システム法では、下記2つの内容が盛り込まれており、特に認定制度により認定されるとさまざまなメリットがあります(→みどりの食料システム法の認定制度によるメリットについてはこちら)。

  • 環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念等を定める
  • 農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設ける

2050年までに達成を目指す数値目標

みどりの食料システム戦略では、目標の達成度をより具体的にモニタリングするため、数値目標(KPI)が設定されています。2050年までに達成すべき農林水産業における数値目標(KPI)は全てで14個設定されていますが、その中でも有機農業に関係するものは下記のとおりです。

  1. 2040 年までに、主要な品目について農業者の多くが取り組むことができるよう、次世代有機農業に関する技術を確立する。
  2. 2050 年までに、オーガニック市場を拡大しつつ、耕地面積に占める有機農業(※)の取組面積の割合を 25%(100 万ha)に拡大することを目指す(※国際的に行われている有機農業)。

その他にも、2050年までに化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減・化学肥料の30%低減や2050年までに化石燃料を使用しない園芸施設への完全移行など、SDGsに配慮した農業の推進が掲げられています。

具体的な取り組み

みどりの食料システム(具体的な取組) - 農林水産省 みどりの食料システム戦略
みどりの食料システム(具体的な取組) – 農林水産省 みどりの食料システム戦略

みどりの食料システム戦略は、戦略実現に向けた具体的な取り組みを、「調達」「生産」「加工・流通」「消費」の4つのステップに分けています。

農業では、それぞれ下記のものが具体的な取り組みとなります。

  • 調達
    • 営農型太陽光発電、バイオマス・小水力発電等による地産地消型エネルギーマネジメントシステムの構築
    • 食品残渣・廃棄物、汚泥、端材を肥料化・飼料化・燃料化するリサイクル技術の開発
  • 生産
    • ドローン等を活用したリモートセンシングによる生育・病害虫管理技術の確立
    • バイオ炭の農地土壌への投入技術の開発
  • 加工・流通
    • 電子タグ(RFID)等の技術を活用した商品・物流情報のデータ連携
    • 需給予測や精密出荷予測に基づくマッチングによる食品ロスの削減
  • 消費
    • 見た目重視の商品選択の見直し等、環境にやさしい消費の拡大
    • 環境にやさしい農業経営(有機農業、無農薬、減農薬等)と付加価値の高い農産物の販売の推進

目標達成に向けたスケジュール

本戦略の有機農業推進に向けたスケジュールは、「2030年 までに有機農業の面積を63,000ha」、「2040年までに次世代有機農業技術の確立」とされています。

2020年から段階的に新たな技術革新を開発、実践することで、先述した目標を達成する内容になっています。

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みどりの食料システム戦略関連の補助金

みどりの食料システム戦略に関連して、農林水産省では交付金(補助金)の予算を確保し、生産者などに対して取り組みを支援しています(みどりの食料システム戦略推進総合対策)。

令和6年度の予算概算要求の概要をもとに、下記に、具体的な交付金(補助金)の中身について記載します。

みどりの食料システム戦略推進総合対策

みどりの食料システム戦略推進総合対策には、主に下記2つの事業があります。

  1. みどりの食料システム戦略推進交付金
  2. 関係者の行動変容と相互連携を促す環境づくり

ここでは、主に生産者に関わりの深い「みどりの食料システム戦略推進交付金」について取り上げます。

みどりの食料システム戦略推進交付金

地域の特色ある農林水産業や資源を活かした持続的な食料システムの構築を支援し、モデル地区を創出するための交付金です。下記、いくつかの事業に分かれており、それぞれ取り組みに対して補助されます。

  • 推進体制整備
  • 有機農業産地づくり推進
  • 有機転換推進事業
  • グリーンな栽培体型への転換サポート
  • SDGs対応型施設園芸確立
  • 地域循環型エネルギーシステム構築
  • 持続可能なエネルギー導入・環境負荷低減活動のための基盤強化対策
  • みどりの食料システム戦略の理解浸透
  • 有機農業推進総合対策事業
  • 穀物グリーン化転換推進事業
  • 生分解性マルチ導入促進事業
  • グリーンな栽培体系の普及啓発
  • 地域資源活用展開支援事業

各事業、取り組み面積あたりの補助や、新技術の機械導入の補助などが設けられています。基本的には市区町村、都道府県が受付機関となりますので、気になる事業があった場合には、営農している地域の担当課へ早めに問い合わせると良いでしょう。

みどりの食料システム戦略緊急対策交付金

みどりの食料システム戦略緊急対策交付金は、みどりの食料システム戦略緊急対策事業に基づく交付金です。みどりの食料システム戦略緊急対策交付金は、補正予算などにより、新たに追加で交付予算が設定されたものとなりますが、内容についてはみどりの食料システム戦略推進交付金とほぼ同様です。

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みどりの食料システム法によるメリット・支援

先述した通り、みどりの食料システム戦略の交付金(補助金)による支援の他にも、みどりの食料システム法による支援もあります(みどりの食料システム法の認定 パンフレット – 農林水産省)。

みどりの食料システム法に基づく認定を受けると、下記のようなメリットがあります。

みどりの食料システム法による認定のメリット
  • 設備投資の際の税制優遇が受けられる(みどり投資促進税制)。
  • さまざまな国庫補助金の採択で優遇される。
  • 日本政策金融公庫の無利子融資等が活用できる。
みどり認定を受けるためには

みどり認定を受けるためには、「環境負荷低減事業活動実施計画」または「特定環境負荷低減事業活動実施計画」を作成し、都道府県知事に申請します。認定されると、みどり投資促進税制などが適用できます。

みどり投資促進税制

有機農業や化学肥料・化学農薬の使用低減に取り組む生産者や、環境保全型農業に必要な有機質肥料などの資材を広域的に供給する事業者の設備投資を後押しするための税制優遇制度です。

都道府県知事の認定を受けた生産者や、国の認定を受けた資材メーカー・食品事業者等が一定の設備等を新たに取得等した場合に、特別償却(機械等32%、建物等16%)の適用が受けられます。

国の認定を受けた資材・機械は、下記ホームページから確認することが可能です。

本税制の適用は、租税特別措置法の規定により、令和6年3月31日までの間に、認定実施計画に基づき対象設備等を取得し、当該事業の用に供した場合に限られるので注意しましょう!

その他、有機農業推進に活用できる補助金

その他にも有機農業推進に活用できる補助金はあります。例えば、「環境保全型農業直接支払交付金」、各地方自治体が独自で公募する補助金などがあります。下記ページに、有機農業推進のための補助金をまとめていますので、ご覧ください。

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