エンジン式の草刈機、刈払機の燃料でよく見られる、「混合ガソリン」「混合燃料」といった表記。これは一体、どういう燃料のことを指すのでしょうか?
ここでは、どんな時に混合燃料が必要なのか、また何と何をどう混ぜればいいのか、具体的なおすすめの燃料や気をつけるポイントも合わせて解説します。
草刈機の混合燃料とは?
草刈機、刈払機にはたくさんの種類があります。その中でも、「2ストロークエンジン」「2サイクルエンジン」と呼ばれるものは、燃料の記載が「混合油」と記載されています。草刈機の混合燃料は、この「混合油」を指します。
混合油とは、ガソリンとオイルを混ぜたもので、混合比率は燃料の欄に、「混合油(40:1)」といった形で、比率が記載されています。
例えば、(40:1)であれば、ガソリン 1L(リットル)に対し、オイルが25ml(ガソリンの40分の1)を混ぜた混合油になります。
どうして2サイクルエンジンの草刈機に混合燃料は必要なのか
それでは、どうして2サイクルエンジンの草刈機には、混合油が必要になるのでしょうか?その答えは、2サイクルエンジンの構造にあります。
2ストロークガソリンエンジンは、エンジン内部のピストンリングやクランクシャフト、クランクケースなどの可動部が適切に潤滑されないと焼き付きを起こし、故障の原因になります。
そこで、2ストロークエンジンは、混合気がクランクベアリングやメインベアリングに直接触れている状態であることから、燃料にエンジンオイル(潤滑油)を混合することで、これらの可動部の機関を直接潤滑する必要があるのです。
詳しい2サイクルと4サイクルの違いは下記を参考にしてみてください。
エンジン式の農機具は、2サイクル(2ストローク)と4サイクル(4ストローク)のガソリンエンジンが存在します。それぞれの特徴は以下の通りです。
2サイクル(2ストローク)
2サイクルエンジンでは、4サイクルエンジンでも行われていた4つの行程が重複して同時に行われます。具体的には、「吸気」および「圧縮」→「爆発」および「排気」の2つの行程で一周期が完了します。これを周期的に動かして動力を発生させています。構造が簡単なため小型化や軽量化しやすく、刈払機、チェンソー、動力噴霧機、動力散布機などで広く採用されています。
- 同サイズでは出力で優る
- 小型化や軽量化しやすい
- 安価であることが多い
- メンテナンスが簡単
2サイクルエンジンは、ガソリンと、2ストローク専用エンジンオイルを 25〜50:1の割合で混ぜた混合ガソリンを使います。(農業者の方は、50:1の方が多いです)
※燃料の配合については説明書を必ず確認してください。
4サイクル(4ストローク)
4サイクルエンジンでは、「吸気」→「圧縮」→「爆発」→「排気」の4つの行程で一周期が完了します。これを周期的に動かして動力を発生させています。吸気バルブが燃焼室の上についているものをOHV(オーバーヘッドバルブ)といい、他に吸気バルブが燃焼室の横についているSV(サイドバルブ)もあります。現行の大部分の耕運機では、4サイクルが採用されています。2サイクルと比べた場合の特長は、以下の通りです。
- 燃費がよい
- 振動が少なく振動障害が起こりにくい
- 排気ガスに含まれる有害成分が少ない
- 混合燃料を使用する必要がない
4サイクルエンジンは燃料にガソリンを使います。
※燃料の配合については説明書を必ず確認してください。
ガソリンとオイルの混合比率は?
燃料の配合については、農機具の取扱説明書に必ず記載されています。その内容をしっかり確認するようにしてください。
一般的には、『25:1』、『50:1』といった記載が多いかと思います。『25:1』はガソリン25リットルに対してオイル1リットル、『50:1』はガソリン50リットルに対してオイル1リットルを混合したもの、ということになります。
混合の際に気をつけるポイント
正しい混合比率で混ぜましょう
ガソリンとオイルの比率は、使う農機具によって違ってきます。同じ用途の農機具でも違う場合があるので、必ず説明書の記載を確認して、書かれている比率を必ず守るようにしましょう。代表的なエンジンオイルには下記のようなものがあります。
また、すでにガソリンとエンジンオイルが混合されている混合油も販売されています。これらを使用する場合は、説明書と混合比が同じの混合オイルを使いましょう。
劣化するのでたくさん作りすぎない
混合ガソリンは混ぜたときから劣化が始まります。何ヶ月も作って放置した燃料を使うと、エンジンを傷めてしまう可能性があります。なるべく一回で使いきれる量を混合して作るようにしましょう。
エンジンオイルの種類は指定のものを使う
エンジンオイルはたくさんの種類があります。取扱説明書を確認し、なるべくメーカーが指定するものがあれば、それを使うようにしましょう。
おすすめのアイテム
ご参考に、オイルを混合する際、あると便利なアイテムをご紹介します。