梅雨時期に純白の花を咲かせるクチナシは、庭木として人気があります。ここではクチナシに発生しやすい害虫とその対策方法について説明します。
クチナシに発生しやすい害虫
クチナシには、さまざまな害虫が発生し葉や茎を食害します。ここでは発生の多い害虫とその特徴について説明します。(虫の写真があります。苦手な方はご注意ください。)
オオスカシバ
クチナシの最重要害虫は、オオスカシバです。
オオスカシバはチョウ目スズメガ科に属するガの一種。5月~10月頃、年に1回~2回発生します。成虫は翅が透明、体色は背は黄緑色で腹部に赤と黒色の帯を持ち、昼間に行動します。ホバリングして蜜を吸う姿は、ハチドリに間違えられることもあります。
幼虫はイモムシ状で、老齢幼虫の体長は5cm~6㎝、体色は黄緑色型と褐色型がおり、尾に角があるのが特徴です。被害をもたらすのは幼虫で、クチナシの葉を好み食欲旺盛で、丸坊主にしてしまうこともあります。クチナシの他コーヒーの木なども食害します。



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
アブラムシ
アブラムシは植物の汁をすって加害する昆虫です。体長約1~3mmのとても小さな虫で、日本でも多くの種類がいます。
色は黒色や黄色で、クチナシの新芽や葉、茎にゴマのような虫がびっしりと張り付くことがあります。発生しやすいのは春と秋、特に新芽がでる春3月~6月頃の発生が多くなります。
アブラムシは直接植物の汁を吸うことで葉や茎に害を与えるだけでなく、排泄物を作物にかけ、黒いすす状のカビを増殖させたり、光合成が妨げられて作物の生育を悪化させます。


カイガラムシ
カイガラムシは、樹木の茎や葉に寄生して、植物の汁を吸って加害する昆虫です。カイガラムシには多くの種類がいますが、クチナシに発生しやすいのは「イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)」や「ツノロウムシ」です。
イセリアカイガラムシは別名ワタフキカイガラムシとも呼ばれるように、雌の成虫の殻は綿状で柔らかい。ツノロウムシは直径5㎜程度で固い白色のロウ物質に囲まれておりドーム状の形をしています。
カイガラムシは直接植物の汁を吸う(吸汁)ことで、非常に見た目が悪くなることや、変形や生育に影響を与えます。また排泄物を葉や枝、幹に付着させる事で表面に「すす病」が発生して黒く汚れてしまいます。

出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
アオバハゴロモ
アオバハゴロモは、幼虫や成虫が植物の汁を吸って加害する昆虫です。幼虫は体長約10mm程度、体色は淡緑ですが、体全体に白い綿状のロウ物質でおおわれているため白色に見えます。成虫は体長6~8mm程度で、体色は淡青緑色で、縦に扁平な翅をもっています。
卵で越冬し、5月上旬ごろから幼虫が発生します。幼虫は触ると素早く跳ねて逃げます。7月~8月頃には成虫が枝にならんで吸汁します。それほど大きな被害はありませんが、幼虫から落ちた白い綿状の付着物質が新梢について汚れ見た目がわるくなります。

出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
アザミウマ
アザミウマは植物の汁を吸って加害する、体長1〜2mm程度の小さな昆虫でスリップスとも呼ばれます。アザミウマには多くの種類がいますが、クチナシに発生しやすいのは「クロトンアザミウマ」「チャノキイロアザミウマ」、「ハナアザミウマ」などです。
発生時期は種類にもよりますが5月中旬~9月中旬、クチナシの場合は開花のころに発生が増えます。

出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
クチナシに発生する害虫の予防・対策方法
捕獲する
まず捕まえられるのであれば、捕殺しましょう。
アブラムシなどの小さな虫は、水圧で飛ばしたり歯ブラシなどをつかって駆除しましょう。オオスカシバや、アオバハゴロモの幼虫などは割りばし等でつまんで捕まえましょう。
捕虫テープを張るのも有効です。虫によって好む色などがあるので発生する害虫に合わせて使いましょう。
虫の習性を利用して虫が飛来するのを防ぐ
アブラムシやアザミウマはキラキラと光るものを嫌います。光反射シートなどを敷くことで害虫の飛来を防ぐことができます。
アブラムシ、アザミウマを薬剤を使わずに防ぐ方法は、下記の記事で詳しく記載しているのでこちらも参考にしてください。トラップの作り方なども記載しています。


雑草の除草
雑草の除草は、すべての害虫の予防に効果のある方法です。雑草に住み着いて卵を産んだり、冬越しをした害虫が、クチナシに飛来して害を及ぼします。周辺の雑草はまめに除草しましょう。
薬剤を使った対策
多発している場合には、発生している害虫に効果がある殺虫剤などの薬剤(農薬)を使い、害虫を駆除しましょう。
農薬と聞くと、怖い、体に害があるのではないかと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、日本で販売されている農薬は、人畜や環境に影響を与えないことなどの多くの厳しい審査を通ったものだけが、登録されています。
農薬には必ず、適用表と使用上の注意がラベルに記載されています。農薬は、適用表にかかれている作物、病気にしか使えません。使い方を間違えると、作物が枯れたり、体に害が及ぶこともあります。必ずラベルを読んで正しい使い方をしましょう。
クチナシには、作物名に「くちなし」の記載の他、「樹木」と書かれた農薬が使えます。花き類ではないので注意しましょう。
オオスカシバ
オオスカシバに使える農薬は限られています。GFオルトラン液剤 、ベニカケムシエアゾールがクチナシのオオスカシバに適用があります。
アブラムシ、カイガラムシ
家庭園芸などでは、アブラムシ、カイガラムシには「ベニカXネクストスプレー」 や「ベニカXファインスプレー」などのベニカシリーズの殺菌殺虫剤が使えます。
農薬の中には、食品由来の成分をつかった薬剤もあります。ロハピは、アブラムシやハダニに使えます。
アザミウマ
アザミウマは年に6~8回世代交代をして発生するため、発生すると完全駆除が難しい害虫です。家庭園芸でアザミウマに効果のある農薬は「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」があります。
粒剤なので、株元に散布して水をあげるだけでアジサイが根から成分を吸い込みます。成分を吸い込んだアジサイの葉をアザミウマが吸汁することで、殺虫効果を発揮します。幼虫、成虫の発生したらすぐに散布しましょう。その後は効果をみながら2~3回散布します。効果が長く効くので2週間後に1度散布しましょう。
酢が原料の「やさお酢」はアザミウマを寄せ付けない予防効果があります。アブラムシやハダニにも効果があります。
アオバハゴロモ
アオバハゴロモに適用のある農薬はありませんが、アブラムシ、カイガラムシに適用のある「ベニカXネクストスプレー」 や「ベニカXファインスプレー」は、樹木のまさきにアオバハゴロモの適用があるため、効果が期待できるでしょう。
まとめ
害虫の被害は、初期であれば対応が可能ですが大量発生すると、対処が難しくなります。。特に新芽がでるころには、虫たちも活動が活発になるのでよく観察して、発生初期に対応しましょう。
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