ナス病害虫

ナスの防除 テントウムシダマシに効果のある農薬・その他の対策

テントウムシダマシ ナス

益虫であるテントウムシに見た目がよく似たテントウムシダマシ類は、ナスジャガイモなどのナス科の植物を好み、葉や茎、花、果実を食害します。ここではテントウムシダマシ類に使える農薬や農薬以外の対策方法などの防除について説明します。

この記事の執筆者・監修者
農家web編集部
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テントウムシダマシ類の特徴・被害

テントウムシダマシ類は、コウチュウ目テントウムシ科の昆虫で、気温の高い地方では「ニジュウヤホシテントウ」、気温の低い地方では「オオニジュウヤホシテントウ」が発生します。アブラムシを食べる益虫であるテントウムシと見た目が似ていますが、光沢がなく、斑点の数が多い(20個以上)、細かい毛が生えているなどの違いがあります。

5月頃から秋まで発生し、ナスは特に6月下旬~8月の被害が多くなります。食害は幼虫・成虫ともに葉裏から表皮葉脈を残して食べるため、葉が透けて見えるように見えるのが特徴的です。食害された部分は褐色に変色し、縮んで枯死します。また成虫は幼果を好み、食害して傷をつけるため商品価値が下がります。

じゃがいも畑に隣接している場合は多発しやすくなります。6月にジャガイモの収穫が終わるとナスに飛来することが多いので、近くにジャガイモ畑がある畑は特に注意が必要です。

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

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ナス栽培 テントウムシダマシの防除期間・方法

テントウムシダマシの化学農薬による防除期間は、ジャガイモ畑から成虫が飛来する6月と卵から幼虫にふ化する幼虫の孵化最盛期です。

毎年発生している圃場であれば、虫や被害を見つけたら早めに化学農薬を使った防除をし、成虫が多発してしまっている状況では1回目の散布から10~15日後にもう一度散布しまます。化学農薬に弱いのでしっかり散布することで多発を防ぐことができます。

発生が少ない場合には、見つけ次第捕殺しましょう。葉裏に固まっていることが多いのでガムテープや、葉を切り取るなどの方法もあります。早期に発見できれば多発することは少ないでしょう。

化学農薬散布のポイント

テントウムシダマシ類に適用のある農薬を選ぶときには、他の害虫が発生している場合には、その害虫にも効果のある農薬を選ぶとよいでしょう。

時期は成虫発見時、幼虫ふ化最盛期の2回が基本です。幼虫はふ化するとしばらく葉裏で固まっているので、幼虫が分散する前の散布がポイントです。

薬剤は葉裏を中心に散布すること、成虫は驚くと下に落ちるので株元まで丁寧に散布するようにしましょう。

ナス栽培 テントウムシダマシ類に適用のある農薬

散布時期農薬名希釈倍率使用液量使用期間使用回数使用方法IRACコード備考
害虫発生期スミチオン乳剤1000〜2000倍100〜300㍑/10a収穫前日まで5回以内散布1B有機リン・有機硫黄系を有する殺虫剤で日本では50年以上使われています。
アブラムシ類に適用があるため、同時防除が可能です。

害虫発生期
アディオン乳剤2000倍100〜300㍑/10a
収穫前日まで
3回以内散布3A合成ピレスロイド系の殺虫剤で、速効性と残効性にすぐれた薬剤です。
アブラムシ類、オンシツコナジラミカメムシに適用があるため同時防除が可能です。
害虫発生期コテツフロアブル2000倍100〜300㍑/10a収穫前日まで4回以内散布13ピロール系呼吸系阻害剤。
ナスの多くの害虫に適用があります。
ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、チャノホコリダニハダニ類、オオタバコガヨトウムシ
害虫発生期パイベニカVスプレー原液収穫前日まで5回以内散布3A植物うまれ、天然成分100%の殺虫スプレー剤。
有機栽培でも使える殺虫剤で、家庭菜園などでなるべく農薬を使いたくない人にもおすすめ。

農薬を使用する際は必ず登録内容を確認の上、希釈倍率、使用量、回数を遵守しましょう。初めて使う農薬等は、営農指導員、専門家、メーカーなどに相談してから使うようにしましょう。

この他にもナスには多くの農薬が使えます。ナスののテントウムシダマシ類に適用のある農薬は下記からほぼすべての農薬が検索できます。

化学農薬以外の防除方法

防虫ネット

ジャガイモ畑で被害が出ている、毎年多発するという場合には不織布や防虫ネットを掛けて、成虫の飛来を防ぎましょう。

作付け対策

ジャガイモ畑の隣接地で多発しやすいため、ジャガイモ畑の近くでは作付けしないことです。とはいえ、近くの畑まで管理できないという場合には、防虫ネットなどであらかじめ対策しておきましょう。

農業アプリを活用しましょう

今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培日誌」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。

また地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。

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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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