作物別防除

キンモクセイ(金木犀)に発生しやすい害虫とその対策方法

金木犀の花 作物別防除

秋に香りのよいオレンジの花を咲かせるキンモクセイ(金木犀)は、多くの人に愛されています。ここではキンモクセイに発生しやすい害虫とその対策方法について説明します。

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農家web編集部
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キンモクセイに発生しやすい害虫

キンモクセイには、さまざまな害虫が発生し葉や茎を食害します。ここでは発生の多い害虫とその特徴について説明します。(虫の写真があります。苦手な方はご注意ください。)

ヒイラギハマキワタムシ

ヒイラギハマキワタムシはアブラムシ仲間で、4月~5月頃に発生します。ヒイラギやキンモクセイを好んで寄生します。

ワタムシの名のとおり、ふわふわとした白い綿状の物質に覆われており、枝に集団で寄生するため枝が白く見ます。

アブラムシの一種ですので、直接植物の汁を吸うことで葉や茎に害を与えるだけでなく、排泄物を作物にかけ、黒いすす状のカビを増殖させたり、光合成が妨げられて作物の生育を悪化させます。

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

カイガラムシ類

カイガラムシは、樹木の茎や葉に寄生して、植物の汁を吸って加害する昆虫です。カイガラムシには多くの種類がいますが、キンモクセイに発生しやすいのは「ウメシロカイガラムシ」や「トビイロマルカイガラムシ」です。

ウメシロカイガラムシは、白色の介殻に覆われており、雌成虫は、大きさ2~2.5mm程度で5月、7月、8月の年3回発生します。トビイロカイガラムシは、茶褐色から黒褐色の介殻を持ち大きさは2㎜程度で、5月~9月に年2~3回発生します。

カイガラムシは直接植物の汁を吸う(吸汁)ことで、非常に見た目が悪くなることや、枝の変形や生育に影響を与えます。また排泄物を葉や枝、幹に付着させる事で表面に「すす病」が発生して黒く汚れてしまいます。

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

ハダニ

ハダニはクモの仲間でダニの一種で、植物の汁を吸って加害する昆虫です。ハダニには多くの種類がいますが、アジサイに発生しやすいのは「モクセイハダニ(モクセイマルハダニ)」です。

モクセイハダニは以前はかんきつ類に寄生するミカンハダニと同種と思われてきましたが、見た目はほとんどかわりませんが、モクセイ科にしか寄生しません。

成虫の大きさは約0.5㎜ほどの小さな虫で、体色は赤色です。7月~8月の高温乾燥時期に発生が増えます。

成幼虫が葉裏に寄生して吸汁します。キンモクセイの場合は多発すると肥料ぎれのように葉の色素が抜け、白っぽくなります。

モクセイハダニ
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集
被害葉 写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

ハマキムシ

ハマキムシは、ハマキガ科の蛾の幼虫の総称でキンモクセイには「ミダレカクモンハマキ」の幼虫がキンモクセイの葉を食害します。

ミダレカクモンハマキの幼虫は、老齢幼虫は体長25mm程度のイモムシ状で、体色は緑色で頭部が黒から茶褐色に変化します。成虫の体長は8㎜~9㎜程度の茶褐色で5月~7月頃の初夏に発生が増えます。

卵で越冬し、5月上旬の新芽の展葉期に内側から幼虫が食害します。雑食性で多くの樹木や果樹に被害を及ぼします。

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

ヒロヘリアオイラガ

ヒロヘリアオイラガは、イラガ類に属する蛾の仲間で、幼虫はが葉を食害します。幼虫はイモムシ状で体に毒のあるトゲを持っており、トゲに刺されると電気が流れたような激しい痛みがあることから「デンキムシ」ともよばれます。

幼虫の体長は老齢になると20~25㎜ほど、全体に無数の鋭いトゲを持ち、体色は黄緑色で背中に青い縦の線がはいっています。成虫は翅を開いた状態だと30~40㎜程度、黄緑色で外側のヘリが茶褐色をしています。

発生は6月~10月頃、年に2回発生します。葉裏に卵を産み付けるため若齢幼虫は、葉裏にびっしりと密集します。被害にあった葉は、白っぽく透けてみえるようになり、次第に全体を食害します。

ヒロヘリアオイラガの幼虫
ヒロヘリアオイラガの幼虫
チャノキイロアザミウマの成虫
ヒロヘリアオイラガの被害葉
ヒロヘリアオイラガの被害葉

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

ヘリグロテントウノミハムシ

ヘリグロテントウノミハムシは、テントウムシに似ていますがハムシの仲間です。危険を察知するとノミのように跳ねて逃げることからこの名がついています。モクセイ科を好む昆虫で、幼虫と成虫が葉を食害します。

幼虫の体長は老齢で5~6㎜程度のイモムシ状で、体色は乳白色~薄い黄色に黒褐色の斑点があります。成虫は体長3~4㎜、黒に2つの赤い斑紋がありナミンテントウに似ています。

4月~6月頃、幼虫が新芽や新葉の中に入り込んで食害します。成虫は葉の表面から削り取るように食害します。葉がマダラに白くなったり、焼けたような薄茶色になったらヘリグロテントウノミハムシを疑いましょう

ヘリグロテントウノミハムシの幼虫
ヘリグロテントウノミハムシの幼虫
ヘリグロテントウノミハムシの成虫
ヘリグロテントウノミハムシの成虫
ヘリグロテントウノミハムシの被害葉
ヘリグロテントウノミハムシの被害葉

画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集

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クチナシに発生する害虫の予防・対策方法

捕獲する

まず捕まえられるのであれば、捕殺しましょう。

ヒイラギハマキワタムシやハダニなどの小さな虫は、水圧でも飛ばせます。またカイガラムシなどは、歯ブラシなどを使いこそげ落とします。イモムシ状の幼虫は、割りばし等でつまんで捕殺します。

捕虫テープを張るのも有効です。虫によって好む色などがあるので発生する害虫に合わせて使いましょう。

虫の習性を利用して虫が飛来するのを防ぐ

ハダニは乾燥を好むので、発生しやすい葉裏に水をかける、カイガラムシやハマキムシは、風通しが悪いと発生が増えるので剪定などをし、葉が混みあわないようにしましょう。

ハマキムシ、ヒロヘリアオイラガ、ヘリグロテントウノミハムシなどの飛来する害虫に毎年困っているようでしたら、落葉下などで越冬するため落ち葉などを整理することも、害虫予防につながります。

雑草の除草

雑草の除草は、すべての害虫の予防に効果のある方法です。雑草に住み着いて卵を産んだり、冬越しをした害虫が、キンモクセイに飛来して害を及ぼします。周辺の雑草はまめに除草しましょう。

薬剤を使った対策

多発している場合には、発生している害虫に効果がある殺虫剤などの薬剤(農薬)を使い、害虫を駆除しましょう。

農薬と聞くと、怖い、体に害があるのではないかと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、日本で販売されている農薬は、人畜や環境に影響を与えないことなどの多くの厳しい審査を通ったものだけが、登録されています。

農薬には必ず、適用表と使用上の注意がラベルに記載されています。農薬は、適用表にかかれている作物、病気にしか使えません。使い方を間違えると、作物が枯れたり、体に害が及ぶこともあります。必ずラベルを読んで正しい使い方をしましょう。

金木犀には、作物名に「もくせい」の記載の他、「樹木」と書かれた農薬が使えます。花き類ではないので注意しましょう。

アブラムシ、カイガラムシ

家庭園芸などでは、アブラムシ、カイガラムシには「ベニカXネクストスプレー」 や「ベニカXファインスプレー」などのベニカシリーズの殺菌殺虫剤が使えます。

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ハダニ

ハダニには、食品成分をつかったロハピカダンセーフなどは家庭で使うには安心してつかえます。

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ハマキムシ

ハマキムシに使える農薬は多くありません。ディアナSCは樹木のハマキムシ類に使えます。卵には農薬は効きません。また幼虫は老齢になると農薬が効きにくくなります。家庭では、農薬を使わず、葉ごと切り取るのがおすすめです。

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ヒロヘリアオイラガ

ヒロヘリアオイラガには、アースガーデンのジェット噴射できる殺虫剤ガーデンアースBが使えます。ケムシ類にも使えるので、家庭でも便利に使えます。農薬名はアースガーデンBですが、商品名は「アースガーデン 園芸用 殺虫剤 ケムシ撃滅 切替ジェット」で販売されています。

ヘリグロテントウノミハムシ

ヘリグロテントウノミハムシには、フマキラーの殺虫剤ケムシジェットが使えます。ケムシジェットはイラガ類、アブラムシ、カイガラムシにも適用があるので、同時防除にも使えます。

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まとめ

害虫の被害は、初期であれば対応が可能ですが大量発生すると、対処が難しくなります。。特に新芽がでるころには、虫たちも活動が活発になるのでよく観察して、発生初期に対応しましょう。

また毒をもった虫もいますので、駆除には十分注意が必要です。

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