ヨトウムシの幼虫は夜中にバラのつぼみや葉を食い荒らします。ここではバラに発生するヨトウムシが発生した場合の駆除方法や対策について説明します。
ヨトウムシの特徴・被害
ヨトウムシの特徴
ヨトウムシとは、蛾の一種であるヨトウガの幼虫のことで、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウの幼虫と合わせてヨトウムシ類とも呼ばれます。
体長4cmほどのイモムシで、ヨトウムシ(夜盗虫)の名のとおり、日中は見えず、夜中に活動してさまざまな作物の葉やつぼみなどを食べつくします。
| 種類 | ヨトウガ | シロイチモジヨトウ | ハスモンヨトウ |
|---|---|---|---|
| 成虫の大きさ(体長)・色 | 約20㎜(翅の開帳約45mm) 灰褐色〜黒褐色 | 約12㎜(翅の開帳約28mm) 灰褐色 | 約20㎜(翅の開帳約40mm) 灰褐色 |
| 幼虫の大きさ(体長)・色 | 〜約50㎜ 頭部:黒褐色→黄褐色 体色:淡緑→灰褐色 | 〜約30㎜ 体色:淡緑→褐色 | 〜約40㎜ 体色:淡緑→褐色、黒褐色 |
| 産卵 | 葉裏に数十〜数百の卵塊 側面に放射状の黒点 | 葉裏に数十〜数百の卵塊 色は黄白〜灰白色 | 数十〜数百の卵塊 色は黄土色 |
| 生長サイクル | 年2回発生 土中に蛹で越冬し、第一世代幼虫は4〜5月に羽化 第二世代幼虫は8〜10月に羽化 | 年5〜6回発生 卵から孵化〜成虫になるまで1ヶ月程度 | 年5〜6回発生 卵から孵化〜成虫になるまで40日程度 |
| 幼虫大量発生時期(目安) | 5月前後、10月前後の2回 | 8〜10月 | 6〜10月 |



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
ヨトウムシ類の被害
コガネムシの被害は、バラでは葉,花,蕾の食害です。若齢幼虫は、葉の裏側から集団で食害するため、葉がカスリ状になり透けたようになります。老齢幼虫は食欲旺盛で、固い葉のふちや葉柄を残して食べつくします。
葉や花などに穴をあけるため、花の鑑賞価値が落ち、生育にも影響を及ぼします。


ハスモンヨトウの被害葉・花 画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
バラにヨトウムシ類が寄生してしまった場合の対処法
バラに葉のカスリ等がみられたら、ヨトウムシの寄生を疑ってください。
卵は葉裏に産み付けるため、葉裏をチェックし産卵しているようなら葉ごと切り取ります。
老齢幼虫は、農薬が効きにくいため幼虫はまず物理的に取り除いて駆除しましょう。日中は、株の影や土の中、葉裏などでじっとしていることが多いので、軍手などをして、割りばし等でつまんで駆除しましょう。
暗くなってからは、活動が活発になるので懐中電灯等をつかって夜に捕殺してもよいでしょう。
その後はヨトウムシ類に効果のある農薬を散布します。農薬の種類によりますが、農薬を散布した後は3~7日後に効果を確かめ、まだ発生しているようであれば再度農薬を散布しましょう。
そのほか、農薬以外に防虫ネットなどを使う物理的防除や、雑草の除草などの耕種的防除を組み合わせて飛来や産卵を防ぐ対策を行いましょう。
農薬(殺虫剤)の選び方・使用方法について
ヨトウムシ類を駆除するためには、ヨトウムシ類に効果が認められている殺虫剤(農薬)をつかいます。ヨトウムシは適用病害虫が「ヨトウムシ類」の他、「ハスモンヨトウ」などの種類別の農薬もあります。
また農薬は同じ系統の農薬を使い続けると、薬剤抵抗性が発生し効果がなくなることがあります。複数回散布するときはなるべく違う系統の農薬を使う、ローテーション散布をしましょう。商品名が違っても同じ系統の農薬もあるので、系統は殺虫剤にはIRACコードが違うものを選びます。
ハスモンヨトウやシロイチモジヨトウとハスモンヨトウはヨトウガに比べ、ピレスロイド系(3A)の農薬にすでに薬剤抵抗性が発生している地域が多いので、種類にあった農薬を選びましょう。
バラは害虫が多いので、一般家庭で農薬を使っている場合でも毎年同じ農薬は使わず、できるだけ違う系統の農薬を使うようにしましょう。
ばらのヨトウムシ類に適用のある農薬
| 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オルトラン水和液 | 1000倍 | 100〜300㍑/10a | 発生初期 | 3回以内 | 散布 | 1B | 花きのヨトウガ類に適用のある殺虫剤 浸透作用が大きいので、葉裏に隠れた害虫にも効果があります。 オルトラン粒剤もあります。 |
| アファーム乳剤 | 1000倍 | 100〜300㍑/10a | 発生初期 | 5回以内 | 散布 | 6 | 花きのヨトウガ類に適用のある殺虫剤 有効成分が自然由来のマクロイド系の 新しいタイプの殺虫剤。 速効性にも優れています。 |
| ノーモルト乳剤 | 2000倍 | 150〜300㍑/10a | 発生初期 | 2回以内 | 散布 | 15 | 花きのヨトウガ類に適用のある殺虫剤 耐雨性・残効性に優れた殺虫剤 |
| ベニカXファインスプレー | 原液 | ー | 発生初期 | 4回以内 | 散布 | 3A,4A | ばらのハスモンヨトウに適用のある殺虫殺菌剤 ばらのさまざまな病害虫に効果のある薬剤なので、 同時にさまざまな病害虫予防ができます。 |
ヨトウムシ類の予防・対策方法
黄色い蛍光灯をつける
ヨトウムシの成虫は黄色の蛍光灯が苦手なので、圃場に設置すると、成虫の飛来を減らすことができます。(黄色の蛍光灯は開花を抑制する効果がある点に注意してください。)
米ぬかを入れた穴を圃場に作る
ヨトウムシは米ぬかが大好きな特性を活かして、庭や畑に10cmほどの深さの穴を掘り、一握りの米ぬかを入れておく方法です。こうするとヨトウムシが穴に集まり、取り出して焼却等で駆除することができます。
また、雑草のハコベやホトケノザにも集まる習性があるので、引き抜いたハコベやホトケノザを圃場に置くとヨトウムシの幼虫を誘引することができます。
フェロモン剤の使用
農薬の一種ですが、「コンフューザーV」は性フェロモン剤を使って、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウの交尾を阻害させる薬剤です。直接殺虫効果はありませんが、さまざまな作物を栽培していて予防に苦労している場合などは、
雑草の除草
ヨトウムシは雑食なので、さまざまな作物や雑草にも寄生します。周辺に餌となる植物があると、そこからバラに飛来するので、雑草の除草もヨトウムシ対策になります。
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