アオムシ(モンシロチョウ)は白菜などのアブラナ科を食害する害虫です。ここでは白菜栽培のアオムシ(モンシロチョウ)の防除について、おすすめの農薬やその他の対策方法について説明します。
アオムシ(モンシロチョウ)の特徴・被害
アオムシは、チョウ目シロチョウ科のモンシロチョウの幼虫で、白菜やキャベツ、ブロッコリー、大根などのアブラナ科の葉を食害します。成虫は3cm程度で翅は白く丸くて黒い斑点があり、葉裏に卵を産みつけます。幼虫は成長すると30㎜~40㎜程度になり、生まれたてのころは黄色ですが次第に緑色に変化します。
春から秋まで長く発生しますが、多発する時期は5~6月と10月~11月頃、白菜では秋まき栽培で注意が必要です。若齢幼虫は葉裏から表皮だけを薄く残して食害しますが、老齢幼虫になると主軸だけ残して葉に穴を空けて食害し、移動して次々と葉を食い荒らします。



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
白菜栽培 アオムシの防除期間・方法
アオムシの防除期間は、春まき栽培では4月中旬から収穫期間の5月まで、秋まき栽培では9月~収穫期間の10月まで、幼虫が小さいうちに薬剤で防除します。
予防には、防虫ネットなどの物理的防除で、成虫の飛来と産卵を防ぎましょう。各地域の予察情報で発生状況を確認し、圃場の観察を行い被害が見られたら登録のある農薬をつかって防除します。
農薬の効果は高いですが、多発する地域では複数回発生を繰り返すため初期の発生を見逃さず、複数数回散布します。発生期に苗をつくる場合は寒冷紗などを用いて防除する他、残効性の長い薬剤をつかって防除するのも有効です。
化学農薬散布のポイント
アオムシに適用のある農薬を選ぶときには、他の害虫が発生している場合には、その害虫にも効果のある農薬を選ぶとよいでしょう。
アオムシ発生しやすい時期には、アブラムシ類やハイマダラノメイガ、ハスモンヨトウ、コナガなどの発生が多くなります。チョウ目害虫に効く農薬を散布していれば、アオムシの大量発生は起きにくいですが、生育初期を逃すと農薬が効きにくくなるので早めの散布を心がけましょう。
アオムシにはアオムシコマユバチやアシナガバチなどの天敵がいます。天敵を生かすのであれば合成ピレスロイド系剤の使用は避け、BT剤やIGR剤などの天敵に影響の少ない薬剤を使いましょう。
農薬の散布は、薬剤の抵抗性を防ぐため、同じ系統の農薬は使わずIRACコードを確認して、作用が異なる農薬をローテーション散布しましょう。
白菜栽培 アオムシに適用のある農薬
散布時期 | 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
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定植時 | スタークル粒剤 | 2〜3g/株 | ー | 定植時 | 1回 | 植穴土壌混和 | 4A | 新規ネオニコチノイド系(フラニコチニル系)の害虫防除剤で 浸透性、残効性、速効性にすぐれた薬剤です。 アブラムシ類、ハイマダラノメイガ、コナガと 同時防除が可能です。 |
育苗から定植時 害虫発生初期 | プレバソンフロアブル5 | 100倍 2000倍 | セル成型育苗トレイ1箱またはペーパーポット1冊 (約30×60cm、使用土壌約1.5〜4㍑)当り0.5㍑ 100〜300㍑/10a | 育苗期後半〜定植当日 収穫前日まで | 1回 3回以内 | 灌注 散布 | 28 | チョウ目やハエ目など幅広い害虫に速やかな効果があり、 吸収移行性と残効性にも優れた薬剤です。 コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、ハイマダラノメイガ カブラハバチ類と同時防除が可能で、無人航空機による散布もできます。 |
害虫発生初期 | ゼンターリ顆粒水和剤 | 2000倍 | 100〜300㍑/10a | 発生初期 但し、収穫前日まで | ー | 散布 | 11A | 微生物を利用した農薬(BT剤)で有機栽培でも使用可能です。 高温時には薬害がでやすいので希釈倍率は必ず守りましょう。 コナガ、ヨトウムシと同時防除可能 |
害虫発生初期 | スピノエース顆粒水和剤 | 2500〜5000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫3日前まで | 3回以内 | 散布 | 5 | 天然物由来で有機栽培に使える速効性の薬剤です。 コナガ、ヨトウムシ、ハイマダラノメイガ、ウワバ類、 カブラハバチ類と同時防除が可能 |
害虫発生初期 | パダンSG水溶剤 | 1500倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫7日前まで | 3回以内 | 散布 | 14 | ネライストキシン系の殺虫剤(カルタップ剤)で、 速効性・浸透移行性に優れた薬剤です。 コナガ、アブラムシ類、カブラハバチ類、ナメクジと 同時防除が可能です。 |
この他にもはくさいには多くの農薬が使えます。白菜のアオムシに適用のある農薬は農家webの農薬検索データベースからほぼすべての農薬が検索できます。
化学農薬以外の防除方法
防虫ネット
アオムシの被害は直接的な食害なので、網目のある防虫ネットなどでモンシロチョウなどが飛来して卵を産み付けるのを防ぐのも効果的です。家庭菜園では、寒冷紗(かんれいしゃ)でも防除出来ます。
除草
圃場内や周りの道ばたなどに雑草があるとアオムシに限らず、様々な病害虫の住処になり、発生を促進してしまいます。圃場の周りの雑草はできるだけ除草しておくことが、被害を少なくするのに極めて重要です。
特にアブラナ科の雑草は大好物で、発生源になるので、しっかり除草するようにしましょう。
コンパニオンプランツの栽培
コンパニオンプランツとは、近くで栽培することでお互いの作物に良い影響を与え、共栄しあう複数の植物の組み合わせ、またそれに該当する植物のことを言います。
アオムシはレタスや春菊などの「キク科」や、ニンジンなどの「セリ科」の植物を嫌がる傾向があるので、アブラナ科野菜を定植する際に、キク科、セリ科の野菜も植えるとアオムシの防除に効果的です。す。
農業アプリを活用しましょう
今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培記録」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。また自分の使っている農薬を登録するだけで、混用が可能な農薬もわかります。
地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。

この他白菜の病害虫に使える農薬については下記で詳しく説明しています