農薬の使用方法

農薬の使用方法 農薬の使用方法

農薬は農作物に害を及ぼす害虫や病気の防除に役立つものですが、使い方を間違えると思った効果がでないだけでなく、作物に薬害が生じることもあります。ここでは農薬の使用方法についてまとめています。

この記事の執筆者・監修者
農家web編集部
法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。詳細

農薬は正しい使い方

当たり前のことですが、農薬はその農薬のラベルに記載のある適用作物にしか使えません。ラベルに記載のない作物に使うと「農薬取締法違反」となりますので、必ず確認しましょう。また濃度や使用量、回数、使用時期も必ず守りましょう。

いつも使っている農薬も、適用作物から削除されたり、増えたりすることもあります。この他にも薬害や効果的な使い方についても記載がある場合もあるため、使う前に必ず農薬ラベルを確認しましょう。

農薬の入れ物に添付されている説明書(適用作物、適用害虫名、希釈倍率などが記載されている)

農薬の希釈計算

除草剤や殺虫剤などの液剤は、ほとんどが原液で水で希釈して使います。農薬のラベルの情報をもとに、「希釈倍数(倍)」に合わせて、希釈します。農薬の希釈のために必要な情報は3つ。

  • 農薬を使う作物名
  • 防除したい病害虫名
  • 使用する圃場の面積

農薬のラベル情報で「作物名」と「病害虫名」から希釈倍率使用液量使用液量がわかります。使用液量は10aあたりで書かれていることが多いので、自分が使う圃場の面積の散布量を計算し、散布する液量に必要な農薬の量を計算して水に溶かして使います。

具体的な計算方法についてはこちらで詳しく説明しています。

理屈はわかっても、いちいち計算するのめんどくさいなと思う人は、希釈ソフト(アプリ)が便利です。

農家webかんたん農薬希釈計算アプリ」は、web上でダウンロード不要で無料で使えるアプリです。使用する農薬の希釈倍数を入力し、散布する面積などから薬量・液量を算出します。面積の単位や薬剤の単位も簡単に行えます。

ラベルを見て希釈倍率を入力するだけでなく、農薬検索データベースと連携しているので、使いたい製品・適用ラベルを選択することで、希釈倍数を自動入力することができます

展着剤の使い方

展着剤とは、界面活性剤や接着剤となるパラフィンや樹脂酸エステルを有効成分としたもので、薬剤の付着性や浸達性を高めたり、溶けにくい水和剤や乳剤などの混用性を高めて、農薬の効果のムラを減らす働きをしてくれます

展着剤を上手く利用することで、農作業の効率、省力化に寄与できます。聞いたことがあるけど、種類や使い方がわからないという人は、こちらの記事も参考にしてください。

農薬の混用について

農薬の使用時に、いくつかの農薬を混用して散布することは「現地混合」や「庭先混合」と呼ばれますが、農林水産省ではその効果や薬害、安全性の観点から農薬の混用は推奨はしておらず、自己責任で行うこととしています。

しかし農薬散布は手間がかかるため、多くの農家では効率化の観点から混用は広く行われています。とはいえ間違った使い方をすれば、農薬の効果が落ちたり薬害がでて作物に被害がおよぶ危険もあります。

農薬のラベルに混用してはいけない農薬が書いてある場合もあるので、それをチェックしましょう。また農薬メーカーや全農などから、「混用実例」が発行されており、混用がOKなもの、薬害がでたものなどを見ることができます。すべての農薬の組み合わせがあるわけではないですが、混用する場合にはこれらを活用しましょう。

農薬の混用には下記の記事で、水に溶かす順番や注意点などについて詳しく説明しています。

農薬のローテーション散布について

ローテーション散布とは、違う種類(作用性)の農薬をローテーションして散布すること。農薬は同じ種類の農薬を長く使い続けると、耐性菌が発生しその農薬が効きにくくなることがあります。ローテーション散布は薬剤耐性菌の出現を遅らせ、農薬が効かなくなるのを防ぐことが目的です。

ポイントは違う種類(作用性)の農薬を散布することですが、現場では名前が違うだけで種類は一緒、有効成分は違うけど、同じ作用の農薬をローテーション散布しているといった間違った方法で行っている場合もあります。農薬が違う種類(作用性)かどうかは農薬の製品ラベルやチラシ・HPなどに記載されている「RACコード」でわかります。

また散布方法については、殺虫剤抵抗性管理委員会(IRAC)は、「ブロック式ローテーション」散布という方法を推奨しています。

RACコードやブロック式ローテーションについては下記で詳しく説明しています。

農業アプリを活用しましょう

今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培記録」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。また自分の農薬を登録することでどの農薬と混用できるかすぐにわかります。

また地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。

編集さん
編集さん

農家webでは、この他にも農薬に関する記事が多くあります。

作物名や病害虫からも探せますよ。

「農薬の使用方法」のおすすめ記事一覧

農薬の使用方法

天敵を使った防除 天敵製剤に影響の少ない農薬は?

農薬の使用方法

アザミウマ類の防除 天敵製剤の使い方

農薬の使用方法

アザミウマの防除 農薬のローテーション散布のやり方

農薬の使用方法

農薬の使い方 ローテーション散布の正しいやり方

農薬の使用方法

農薬を混用する場合の注意点・混用の順番について 

農薬

農薬の効果を安定させる「展着剤」の種類、使い方のポイントを徹底解説!

農薬の使用方法

農薬の希釈について、希釈方法、希釈率の計算、農薬希釈早見表をご紹介!

スポンサーリンク
\ページの共有はこちらから/
タイトルとURLをコピーしました