モザイク病はウイルス病とも呼ばれ、その名のとおり葉に濃い緑や薄い緑のモザイク状のまだら模様が生じます。ここではトマトのモザイク病を予防する農薬やその他の対策について説明します。
モザイク病とは
モザイク病の特徴
トマトのモザイク病の病原はウイルスで、複数ありますがトマトモザイクウイルス(ToMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、トマトアスパーミィウイルス(TAV)などがトマトにかかりやすいウイルスです。
ウイルスは種類により症状や感染方法も異なりますが、アブラムシを媒介するものの他、ToMVは土壌感染、種子感染、病汁の接触感染します。その名のとおり黄色から緑色のモザイク模様が現れるのが特徴で、茎葉や果実にえそが現れたり、株が委縮することもあります。
モザイク病を治療する農薬はなく、接触伝染を防止する抵抗的ウイルス剤がありますが、効果は高くありません。予防を徹底し、モザイク病に感染した株は、発見次第に抜き取り他の株に感染を移さないことが重要です。
モザイク病の被害
モザイク病は、トマトの生育期間中はいつでも発生しますが、12月~4月は主にトマトモザイクウイルス(ToMV)、5月~11月は、主にキュウリモザイクウイルス(CMV)により発生します。
被害はウイルスの種類により多少異なりますが、生育初期に感染すると葉にモザイク症状が現れ、茎葉や果実にえそ症状が現れます。発病した株は回復せず、果実の奇形やえそ症状が現れ、収穫に大きな影響を与えます。


画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
モザイク病が発生した時の対処法
トマトにモザイク病が発生した場合は、感染してしまった株を治す農薬はありません。被害が大きくなるため早期に抜き取り処分しましょう。
ToMVによる感染の場合は、接触伝染によって被害が広がります。ハサミや手指などの消毒をしっかり行い、レンテミン水溶剤を散布して接触伝染を防止しましょう。
CMVによる感染の場合は、アブラムシによって感染が広がるので、り患した株を処分した後にアブラムシを駆除する農薬を散布しましょう。
モザイク病の防除のポイント
トマトのモザイク病の防除は、ウイルスにより感染経路が異なるので防除方法も変わりますが、重複感染することもあるので両方の防除を行いましょう。特に育苗から幼苗期の感染は被害が大きくなりますので予防を徹底します。
- 前作に発生した圃場では栽培しない。
- 種子感染を防ぐため、種子消毒を行う。
- 接触伝染を防ぐため、苗床、播種箱,育苗鉢、ハサミ、手指の消毒をする。
- り患した株は、すぐに圃場外で処分する。
- アブラムシが媒介するため、育苗から幼苗期までのアブラムシの農薬を使った定期的な化学防除を行う
- 農薬以外にも寒冷紗や防虫ネット、シルバーマルチなどの物理的防除も行う
化学農薬を使うときのポイント
モザイク病感染防止には、レンテミン液剤のみに適用があります。トマトの場合は移植及び各作業(摘芽、誘引等)の直前に散布します。
アブラムシには化学農薬を使った防除を行います。化学農薬を使う場合には、同じ系統の農薬を使うとアブラムシに抵抗性がついて農薬が効かなくなるため、IRACコードを確認して、違う系統の農薬をローテーション散布しましょう。
地域によってはすでにアブラムシに抵抗性がついている場合がありますので、地域で確認してから農薬をつかいましょう。
毎年アブラムシが多発している場合には、植え付け時に土壌散布できる農薬を使いましょう。多発していない地域であれば発生初期の農薬散布が効果的です。
トマトのアブラムシを防除する農薬については下記で詳しく説明しています。
化学農薬以外の対策方法
種子消毒を行う
ToMVは種子伝染します。ウイルスは表面に付着するため、種子を乾熱70℃で2~3日間処理すれば感染を防げます。
感染株の抜き取り
モザイク病は治りません。感染を広げないために有効なのは早期に感染株を抜き取ることが一番重要です。
感染した株は、抜き取り圃場外で処分しましょう。残渣にもウイルスが生存しつづけるため土壌に埋め込まず、できれば焼却処分しましょう。
防虫ネット・マルチ
アブラムシは、キラキラと、光が乱反射するのを嫌う習性があります。これを利用して、マルチをシルバーマルチに変えるのは、アブラムシの防除の有効です。
また不織布や防虫ネットを掛けて、成虫の飛来を防ぎましょう。防虫ネットは6㎜程度の目合いのものがよいでしょう。
除草
圃場の周りに雑草があるとアブラムシの住処になり、発生を促進してしまいます。圃場の周りの雑草はできるだけ早めに除草しておくことが、被害を少なくするのに極めて重要です。
農業アプリを活用しましょう
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