田んぼの除草は、除草剤を使って行うのが一般的ですが、特別栽培や、有機栽培、減農薬栽培などでは、除草剤をなるべく使いたくない場合には、水田除草機との併用が必要になります。
この記事では、田んぼでで使う水田除草機の中で、乗用除草機の種類や機能についてわかりやすく説明します。
乗用除草機の種類・機能
水田の乗用除草機には、専門の乗用草刈機の他、田植え機、除草機などアタッチメントを装着して様々な水田農作業をこなすタイプ、アタッチメントのみを販売している会社もあります。
オーレック(OREC)水田除草機 WEED MAN (ウィードマン)
「WEED MAN」は、斜面草刈機のウイングモアや乗用草刈機のラビットモアなどでも有名なオーレックが、その技術を生かして作った乗用の水田専用の除草機。
株間は、「回転式レーキ」で条間は除草刃のついた「回転刃ローラー」で草を刈り取ります。乗用の除草機として初めて条間だけでなく、株間の雑草も取り除くことができる機械です。
また、従来の除草機と異なり、除草機構をフロントに搭載しているため、作業の確認がしやすく、また深さ・角度を自動制御することでより高い除草能力を実現しています。さらに旋回機能も優れており、微調整しながらイネをつぶさず旋回できるようになっています。
種類は4種類、6条用と8条用があります。大型農家向けの製品です。
| 形式 | SJ600X | SJ600X-33 | SJ800X | SJ800X-33 | 
|---|---|---|---|---|
| 適応条数 | 6条 | 6条 | 8条 | 8条 | 
| 能率(反/時間) | 2.4 | 2.6 | 3.0 | 3.3 | 
| 適応条間 | 300㎜ | 330㎜ | 300㎜ | 330㎜ | 
| 全長×全 幅×全高(㎝) | 310×195×155 | 310×214×155 | 310×255×155 | 310×280×155 | 
| メーカー希望小売価格 | 4,890,600円 | 4,929,100円 | 5,017,100円 | 5,082,000円 | 
みのる産業 水田駆動除草機
水田駆動除草機は、みのる産業と農業技術革新工学研究センターが開発した乗用の除草機。
条間は、強制回転式の「ローター」、株間は、強制揺動式の「ツース」で除草します。車体中央部に除草機を搭載したミッドマウント型にすることで、条合わせが簡単で運転しやすくなっています。また3輪タイプなので小回りが効き、欠苗を防ぐこともできます。
製品は4条、6条、8条タイプがあります。走行部の乗用管理機(KE3A)と除草部を組み合わせて使います。
| 形式 | KE3A+KWM4 KE3A+KW4  | KE3A+KW6 KE3A+KWM6  | KE3A+KW8A KE3A+KWM8A  | 
|---|---|---|---|
| 適応条数 | 4条 | 6条 | 8条 | 
| 作業能率 | 20分~30分/10h | 14分~20分/10h | 10分~/10h | 
| 適応条間 | 300㎜(KWM4) 330㎜(KW4)  | 300㎜(KWM6) 330㎜(KW6)  | 300㎜(KWM8) 330㎜(KW8)  | 
| 全長×全 幅×全高(㎜) | 乗用部KW3A 2773×1340×1658  | 乗用部KW3A 2773×1340×1658  | 乗用部KW3A 2773×1340×1658  | 
| メーカー希望小売価格 | 2,063,600円 | 2,158,200円 | 2,519,000円 | 
大竹製作所 水田乗用除草機 のるたん JJ-1
本格的な乗用除草機は、価格がネックという方には歩行除草機にちょい乗りをコンセプトにした、大竹製作所の「のるたんJJ-1」もあります。
刈刃はローター刃で、条間を除草します。エンジンは走行エンジンと、除草エンジンは別なのでパワーが分散しません。重量も一番重いタイプでも82kgと軽くてコンパクトなので、ターンも簡単に行えます。5条と7条タイプがあります。
| 形式 | JJ-1-530  | JJ-1-533 | JJ-1-730 | JJ-1-733 | 
|---|---|---|---|---|
| 適応条数 | 5条 | 5条 | 7条 | 7条 | 
| 作業能率(a/h) | 21 | 23 | 25 | 27 | 
| 適応条間 | 300㎜ | 330㎜ | 300㎜ | 330㎜ | 
| 全長×全 幅×全高(㎜) | 2530×1470×1170 | 2530×1590×1170 | 2530×2070×1170 | 2530×2310×1170 | 
| 市場目安価格 | 750,000円 | 750,000円 | 780,000円 | 780,000円 | 
ときわ製作所 乗用型/水田株間条間同時除草機 楽とーるRAKUTOOL
「楽とーる」は、既存の田植機に取付するアタッチメント型の除草機です。クボタやISEKIの販売店でも取り扱いしています。動力が不要な分値段が抑えられています。
特徴は楽とーるブラシでの除草。条間用ブラシと株間用ブラシが回転することにより、一度で両方の雑草を除草することができます。それにより一反を除草するのに30分程度で行うことができます。全長を短くすることでコンパクトな設計にし、小回りがきくので狭小地や変形した水田でも使用が可能です。
| 形式 | RT4  | RT6 | 
|---|---|---|
| 適応条数 | 4条 | 6条 | 
| 全長×全 幅×全高(㎜) | 970×1330×960 | 970×1900×960 | 
| メーカー希望小売価格 | 528,000円 | 891,000円 | 
まとめ
有機農法のお米は、安心・安全をもめる消費者のニーズにより付加価値が上がっています。また除草剤の価格も年々上昇し、除草剤に抵抗性のある雑草も増えています。
水田除草機を使って中耕することにより、除草するだけでなく施肥の効果を高めたり、土の中のガスを抜くなどの効果も発揮します。乗用草刈機は価格は高いですが、労力の軽減し時間短縮にもなります。一度デモなどで体験してみるのもおすすめです。