農薬の登録は4000以上もあり、用途や作用機構などによって区分されています。ここでは農薬の種類についてまとめています。
農薬の種類
農作物の防除に使われる農薬は、さまざまな種類がありますが用途別で分類すると7種類にわけられます。主なものは、殺虫剤、殺菌剤、除草剤の3種類ですが、この他に殺菌殺虫剤、殺鼠(殺鼠)剤、植物成長調整剤、その他の4種類があります。
また農薬には、化学農薬だけでなく害虫の天敵や微生物などを使った生物も農薬として登録されており、近年化学農薬に頼らないIPM(総合的害虫管理)の重要な要素として非常に注目されています。
農薬の作用機構による分類
RACコード(ラックコード)という言葉を聞いたことがありますか?農薬を作用機構(農薬の効き方)ごとに分類して番号と記号を振ったコードで、国際団体が定めた分類方法です。
同じ農薬を繰り返し使うと害虫や病原菌、雑草に抵抗性(耐性)がついてしまい、農薬が効かなくなってしまうことがあります。すでに抵抗性がついている害虫や病気も多くあり大きな問題となっています。
名前が違っていても、同じ作用機構を持った農薬をつかってしまうと抵抗性が発生してしまうため、今はすべての農薬にはすべての農薬にRACコードが設定されています。殺虫剤は、IRAC(アイラック)コード、殺菌剤にはFRAC(エフラック)コード、除草剤にはHRAC(エイチラック)コードになっています。
それを確認しながら、異なるコードの農薬をローテーションして使うことにより抵抗性が発生するのを防ぐことができるため、全国でローテーション防除が広がっています。
RACコードは製品パッケージやHPなどで確認できます。農家web 農薬検索データベースでは使いたい農薬を検索でき、RACコード農薬に記載しています。
RACコードの分類については、クロップライフジャパンの1.RACコード(農薬の作用機構分類)に記載されています。
農薬の剤型の種類
農薬は製剤化されておりその形状によって、粉剤、粒剤、水和剤等などの剤型に分類されています。大きな違いはそのまま使うか、水で希釈して使うかです。
同じ農薬でも剤型によっては、適用作物や適用が病害虫などが違うこともあるので農薬ラベルをきちんと読みましょう。
そのまま使える剤型
水などに溶かす手間がなくそのまま使える剤型には、粉剤、粒剤、顆粒剤、スプレー剤(AL剤)、エアゾール剤、ペレット剤、ペースト剤などの剤型があります。
そのままばら撒いたり、スプレーする、塗るだけなので手間がかからないのが最大の利点です。家庭菜園などでも使いやすい剤型ですが、スプレー剤などは大量に散布すると手が疲れる、エアゾール剤などはガスを使うため冷害などにも注意が必要です。
この他にも水稲の除草剤には、そのまま田んぼに投げ込むジャンボ剤や豆つぶ剤、フロアブル剤などもあります。
水に溶かして使う剤型
水で希釈して使う剤型は、液状の液剤、乳剤や粉状の水和剤、水溶剤などがあります。水に希釈して噴霧器などをつかって散布します。希釈して使うので経済的。水に溶かす手間はかかりますが、混用が可能なので複数の農薬を一緒に散布することができるため、複数散布する手間が省けます。
作物別・病害虫別の農薬の種類について
農薬は農薬ラベルに書かれている作物にしか使えません。作物や病害虫ごとの農薬の種類については下記から探すことができます。
農業アプリを活用しましょう
今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培記録」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。また自分の使っている農薬を登録するだけで、混用が可能な農薬もわかります。
地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。