まるでゴーカートのように草刈機に乗りながら草を刈ることができる乗用草刈機(乗用モア)。軟弱地や傾斜地では、4WDの乗用草刈機が活躍します。
この記事では、各社の4WDの乗用草刈機について種類や機能について、詳しく説明していきます。
4WDの乗用草刈機について
休耕地などや傾斜のある場所、凸凹が多い場所やぬかるんでいるところでは4wdが活躍します。どこのメーカーも、馬力があるエンジンを採用しています。刈幅はあまり各社大きな差はありません。刈高は、起伏のある場所では地面に当たらないようにする必要があるため、起伏の激しい場所では刈高が高いと便利です。
各社刈刃の交換などは、簡単にできるよう工夫されています。乗用草刈機は高価ですので、メンテナンスのしやすさなども重要です。レンタルなどもありますので、いろいろ試して自分にあったものを選びましょう。
4WDの乗用草刈機の種類
筑水キャニコム まさおシリーズ
筑水キャニコムは福岡県に本社を置く農業機械メーカーで、2001年に業界初の乗用四輪駆動の草刈機「まさお」を販売しました。現在まさおシリーズで4WDのものは4種類で、そのうち一つは太陽光パネル周辺の草刈り専用です。
Heyまさおの「CMX2202」「CMX2404」の違いはエンジン。CMX2202はヤマハエンジン(排気量653㏄)CMX2404はよりパワーのあるホンダエンジン(排気量688㏄)を搭載。家族のまさおのCMX2506は、シリーズの最上位機種。エンジンはヤマハエンジン(排気量720㏄)です。
3機種ともHST(無段変速)搭載。まさおシリーズの特徴は、刈高の高さ。Heyまさおは150㎜、家族のまさおは、170㎜まで調整可能。乗用草刈機では苦手といわれる高い草でもどんどん刈ることができます。
またエンジンから刈刃への動力伝達に、ドライブシャフトを使用したスクリュードライブ採用。Vベルトを使用したベルトドライブ方式に比べ、ベルトの劣化によりベルトの磨耗、欠損による交換・調整などがほとんどなく、清掃も楽になりメンテナンス性がよくなります。
家族のまさおは、さらに公道も走ることができますし、レバー方式が多い刈高調整は電動式で簡単操作。さらにバタフライ式高草刈「カマキリフロント」は、フロントデザインを凹型にし、高い草や密集した草を効率よく刈り取ることが可能です。その他ライトや、粉塵を軽減するサイクロン式エアクリーナも搭載しています。
形式 | Hey まさお CMX2202 | Hey まさお CMX2404 | 家族のまさお CMX2506 |
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機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1,947×1,020×910 | 1,947×1,020×910 | 1,850×1,020×1,015 |
質量(kg) | 350 | 365 | 395 |
エンジン出力(kW) | 15.0 | 16.5 | 17.2 |
燃料タンク容量(L) | 20 | 20 | 20 |
刈刃形式 | フリーナイフ &段付ステー・2枚 | フリーナイフ &段付ステー・2枚 | フリーナイフ &段付ステー・2枚 |
刈幅(mm) | 975 | 975 | 975 |
刈高(mm) | 0〜150 | 0〜150 | 0~170 |
目安市場価格(税込) | 1,030,000円 | 1,120,000円 | 1,470,000円 |
丸山製作所のMGA229V-1は、 筑水キャニコムのOEM製品となります。
オーレック RM983FX
オーレックは、ラビットモアー(RABBIT MOWER)というブランド名で、多くの乗用草刈機を展開しています。このラビットモアは、日本の乗用草刈機の中心的な役割を果たしていて、イセキや共立(やまびこ)といった、日本を代表する農機メーカーにOEM供給しています。
ラビットモアーはほとんどが2WDで、4WDは「RM983FX」の1機種のみ。エンジンは排気量726ccのカワサキで、HST(無段変速)を搭載しています。オーレックの特徴は、圃場に合わせて2駆と4駆が自動に切り替わるため、燃費効率がよくなります。また旋回時に前輪が増速されるので小回りが利きます。
形式 | オーレック RM983FX |
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機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 2,010×1,070×945 |
質量(kg) | 345 |
エンジン出力(kW) | 17.2 |
燃料タンク容量(L) | 12 |
刈刃形式 | ナイフステー1枚/フリーナイフ2枚 |
刈幅(mm) | 975 |
刈高(mm) | 10〜80 |
目安市場価格(税込) | 1,250,000円 |
アテックス 刈馬王 R9824FB
アテックスは愛媛県に本社を置く農業機械メーカーで、特に乗用式の草刈機や電動車いす、運搬車、ハンマーナイフモアが有名です。
刈馬王「R9824FB」は、4WDで業界初のフロントサスペンションを搭載し、振動を軽減して快適な走行を実現しています。エンジンはハイパワーな排気量726ccのカワサキエンジンで、前輪400㎜、後輪440㎜の大径タイヤで、ぬかるみや横滑りを軽減します。
形式 | 刈馬王 R9824FB |
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機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1,965×1,075×875 |
質量(kg) | 360 |
エンジン出力(kW) | 15.3 |
燃料タンク容量(L) | 14 |
刈刃形式 | フリーナイフ2枚 |
刈幅(mm) | 980 |
刈高(mm) | 10〜100 |
目安市場価格(税込) | 1,110,000円 |
フジイ MG1022X・MG1022X-Ai・Mi1022X
フジイコーポレーションは新潟県に本社を置く農業機械のメーカーで、特に除雪機・草刈機が有名です。フジイの4WD乗用草刈機は、従来のMG1022Xに加え、2021年にAiを搭載したMG1022X-Ai、2023年春に発売予定のMi1022Xがあります。
フジイの乗用草刈機で特化すべきは、スワローターン機能。燕が弧を描くような旋回性能で、ハンドルを切ると後輪の内側の動力が切れ、柔らかく滑らかに半径1900mmで旋回が可能です。Aiが搭載されたモデルは、草刈り時や移動時の細かな操作をあなたの好みの走りをAIが自動学習してアシストしたり、スピードをコントロールします。
最新モデルのMi1022Xは、MGモデルより車高を低くしたことで果樹園などでも使用可能に。また油圧駆動4WDで、安定した走行が可能で、サスペンションを採用し振動も軽減させています。
形式 | フジイ MG1022X/MG1022X-AI | フジイ Mi1022X |
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機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 2045X1055X995 | 1955X1070X905 |
質量(kg) | 335/395 | 338 |
エンジン出力(kW) | 16.4 | 16.4 |
燃料タンク容量(L) | 16 | 14 |
刈刃形式 | ナイフステー×1 フリーナイフ×2 | ナイフステー×1 フリーナイフ×2 |
刈幅(mm) | 970 | 970 |
刈高(mm) | 50~110 | 30~90 |
目安市場価格(税込) | 1,099,000円/1,306,800円(メーカー希望価格) | – |