白菜（はくさい）などのアブラナ科につくシンクイムシはハイマダラノメイガの被害が大きく、生育初期に大きな被害を及ぼします。ここではハクサイ栽培でハイマダラメイガの防除について、おすすめの農薬やその他の対策方法について説明します。
ハイマダラノメイガの特徴・被害
ハイマダラノメイガは、チョウ目メイガ科の蛾の一種で、幼虫はアブラナ科野菜の芯部を食害することから別名ダイコンシンクミムシと呼ばれます。成虫は体長7㎜～約10㎜の灰褐色の蛾で、葉柄や株元の茎に卵を産みつけます。幼虫は成長すると15㎜程度になり、頭部は黒色で胴体に褐色の縦線が入るのが特徴です。
8月から10月頃に発生し、白菜（ハクサイ）では、育苗期から生育初期にかけて幼虫が作物の生長点付近の葉や芯を食害します。食害により生育不良や芯止めが起こり、苗自体が枯れてしまうこともあります。
画像出典：HP埼玉の農作物病害虫写真集
ハクサイ栽培 ハイマダラノメイガの防除期間・方法
ハイマダラノメイガの防除期間は白菜の場合は育苗から生育初期の予防的対策が重要です。
まずは防虫ネット、黄色灯の夜間照射などの物理的防除で、成虫の飛来と産卵を防ぎましょう。各地域の予察情報などをチェックし、多発が予想される場合は、育苗期後半または定植時に農薬を散布、その後は残効が切れる前に1～2回の薬剤散布を行います。
ハイマダラメイガは夏期に気温が高く降水量が少ない場合、発生が増える傾向があります。誘致植物のクレオメ栽培し発生状況を確認する方法もあります。
化学農薬散布のポイント
ハイマダラノメイガに適用のある農薬を選ぶときには、他の害虫が発生している場合には、その害虫にも効果のある農薬を選ぶとよいでしょう。
ハクサイは生育初期には、ハイマダラノメイガが発生しやすい時期には、アオムシやコナガ、ハスモンヨトウ、アブラムシ類も発生しやすくなります。育苗期後半または定植時に同時に防除できる残効性の長い灌注剤や粒剤などを散布します。定植後は残効が切れる前に1回～2回農薬を散布しましょう。
農薬の散布は、薬剤の抵抗性を防ぐため、同じ系統の農薬は使わずIRACコードを確認して、作用が異なる農薬をローテーション散布しましょう。
はくさい栽培 ハイマダラノメイガに適用のある農薬
| 散布時期 | 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 定植時 | ベリマークSC | 400倍 | ｾﾙ成型育苗ﾄﾚｲ1箱 またはﾍﾟｰﾊﾟｰﾎﾟｯﾄ1冊 (約30×60cm､使用土壌約 1.5〜4㍑)当り0.5㍑ | 育苗期後半〜定植当日 | 1回 | 灌水 | 28 | 野菜を加害するチョウ目害虫や コナジラミなど広範囲の害虫を 効果的に防除する野菜灌注処理用殺虫剤 残効が長く、コナガ、アオムシ、ハスモンヨトウ、アブラムシ類など多くの害虫の同時防除が可能 |
害虫発生初期 | ディアナＳＣ | 2500〜5000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 | 5 | マクロライド系の有効成分スピネトラムを含む新規殺虫剤で、 チョウ目害虫、アザミウマ類などに効果が高い薬剤です。 アザミウマ、コナガ、アオムシ、ヨトウムシなどと同時防除が可能。 |
| 害虫発生初期 | グレーシア乳剤 | 2000〜3000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 | 30 | 速効性、浸透性があり残効が2週間続く新しい薬剤です。 コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、 アザミウマ類等と同時防除が可能 |
| 害虫発生初期 | 日曹スカウトフロアブル | 2000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 5回以内 | 散布 | 3A | 速効性と安定した残構成を持つピレスロイド系殺虫剤。 アブラムシ類、アオムシ、コナガ、ヨトウムシと同時防除が可能 |
この他にもはくさいには多くの農薬が使えます。はくさいのハイマダラノメイガに適用のある農薬は農家webの農薬検索データベースからほぼすべての農薬が検索できます。
化学農薬以外の防除方法
防虫ネット
育苗時には、寒冷紗や防虫ネット（２～４mm 目程度）で被覆し、成虫の侵入、産卵を防止します
作付け対策
多発が予想される時には、作付けを遅く9月上旬にずらすなどの対策をとります。
黄色灯の夜間点灯
夜間に黄色灯を照射することで、ハイマダラノメイガの成虫の飛来防止になります。明るさは地面付近の照度が2ルクス以上になるようにしましょう。同時期に発生するはくさい栽培 ハイマダラノメイガに適用のある農薬
| 散布時期 | 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 定植時 | ベリマークSC | 400倍 | ｾﾙ成型育苗ﾄﾚｲ1箱 またはﾍﾟｰﾊﾟｰﾎﾟｯﾄ1冊 (約30×60cm､使用土壌約 1.5〜4㍑)当り0.5㍑ | 育苗期後半〜定植当日 | 1回 | 灌水 | 28 | 野菜を加害するチョウ目害虫や コナジラミなど広範囲の害虫を 効果的に防除する野菜灌注処理用殺虫剤 残効が長く、コナガ、アオムシ、ハスモンヨトウ、アブラムシ類など多くの害虫の同時防除が可能 |
害虫発生初期 | ディアナＳＣ | 2500〜5000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 | 5 | マクロライド系の有効成分スピネトラムを含む新規殺虫剤で、 チョウ目害虫、アザミウマ類などに効果が高い薬剤です。 アザミウマ、コナガ、アオムシ、ヨトウムシなどと同時防除が可能。 |
| 害虫発生初期 | グレーシア乳剤 | 2000〜3000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 | 30 | 速効性、浸透性があり残効が2週間続く新しい薬剤です。 コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、 アザミウマ類等と同時防除が可能 |
| 害虫発生初期 | 日曹スカウトフロアブル | 2000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 5回以内 | 散布 | 3A | 速効性と安定した残構成を持つピレスロイド系殺虫剤。 アブラムシ類、アオムシ、コナガ、ヨトウムシと同時防除が可能 |
この他にもはくさいには多くの農薬が使えます。はくさいのハイマダラノメイガに適用のある農薬は農家webの農薬検索データベースからほぼすべての農薬が検索できます。
化学農薬以外の防除方法
防虫ネット
育苗時には、寒冷紗や防虫ネット（２～４mm 目程度）で被覆し、成虫の侵入、産卵を防止します
作付け対策
多発が予想される時には、作付けを遅く9月上旬にずらすなどの対策をとります。
黄色灯の夜間点灯
夜間に黄色灯を照射することで、ハイマダラノメイガの成虫の飛来防止になります。明るさは地面付近の照度が2ルクス以上になるようにしましょう。同時期に発生するハンモンヨトウの防除にも効果があります。
農業アプリを活用しましょう
今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培記録」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。また自分の使っている農薬を登録するだけで、混用が可能な農薬もわかります。
地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。
