ほうれん草の葉を食害するシロオビノメイガは晩夏以降に多発する害虫です。ここではほうれん草栽培のシロオビノメイガの防除について、おすすめの農薬やその他の対策方法について説明します。
シロオビノメイガの特徴・被害
シロオビノメイガは、チョウ目メイガ科の蛾の一種で、幼虫がホウレンソウやてんさい、フダンソウ・ケイトウなどのヒユ科の作物を食害します。成虫は2cm程度の茶褐色に白い帯状の斑紋が入った蛾で、葉裏に卵を産みつけます。幼虫は成長すると15㎜~20㎜程度になり、半透明でツヤのある淡緑色をしています。
多発する時期は8月から11月頃、ほうれん草では夏まき、秋まき栽培で特に注意が必要です。若齢幼虫は葉裏から表皮だけを薄く残して食害しますが、次第に糸を張って折り曲げたり2つ葉の間をすり合わせて隠れ、内部から食害します。



画像出典:HP埼玉の農作物病害虫写真集
ほうれん草栽培 シロオビノメイガの防除期間・方法
シロオビノメイガの防除期間は、7月頃から10月頃まで。発生がまばらなので初期の発生を見逃さず、発生したら薬剤をつかって防除します。
予防には、トンネルかけや防虫ネットなどの物理的防除で、成虫の飛来と産卵を防ぎましょう。各地域の予察情報で発生状況を確認し、圃場の観察を行い被害が見られたら登録のある農薬をつかって防除します。
農薬の効果は高いですが、多発する地域では複数回発生を繰り返すため初期の発生を見逃さず、多発する地域では2週間ごとに複数回散布します。
化学農薬散布のポイント
シロオビノメイガに適用のある農薬を選ぶときには、他の害虫が発生している場合には、その害虫にも効果のある農薬を選ぶとよいでしょう。
シロオビノメイガが発生しやすい時期には、アブラムシ類やヨトウガ,ハスモンヨトウ、ミナミキイロアザミウマなどの発生が多くなります。ほうれん草は栽培期間が短いため、使用期間には注意しましょう。
散布はできるだけ晴れた午前中に行います。また農薬の散布は、薬剤の抵抗性を防ぐため、同じ系統の農薬は使わずIRACコードを確認して、作用が異なる農薬をローテーション散布しましょう。
ほうれん草栽培 シロオビノメイガに適用のある農薬
散布時期 | 農薬名 | 希釈倍率 | 使用液量 | 使用期間 | 使用回数 | 使用方法 | IRACコード | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
害虫発生初期 | ディアナSC | 2500〜5000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 | 5 | マクロライド系の有効成分スピネトラムを含む新規殺虫剤で、 チョウ目害虫、アザミウマ類などに効果が高い薬剤です。 アザミウマ、ハスモンヨトウ、ハクサイダニ、 ハモグリバエ類、ホウレンソウケナガコナダニと同時防除が可能。 |
害虫発生初期 | カスケード乳剤 | 4000倍 | 100〜300㍑/ | 収穫3日前まで | 3回以内 | 散布 | 15 | 幼虫の脱皮時にその致死効果が発揮されるIGR剤で残効が長い薬剤です。 ハスモンヨトウ、マメハモグリバエ、ホウレンソウケナガコナダニ、 アシグロハモグリバエと同時防除が可能です。 |
害虫発生初期 | パダンSG水溶剤 | 1500倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫7日前まで | 2回以内 | 散布 | 14 | ネライストキシン系の殺虫剤(カルタップ剤)で、 速効性・浸透移行性に優れた薬剤です。 ミナミキイロアザミウマ、アシグロハモグリバエと同時防除が可能です。 |
害虫発生初期 | プレソンフロアブル | 2000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 | 28 | 速効性、吸収移行性と残効性に優れた薬剤 ハスモンヨトウと同時防除が可能 |
害虫発生初期 | スピノエース顆粒水和剤 | 5000倍 | 100〜300㍑/10a | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 | 5 | 天然物由来で有機栽培に使える速効性の薬剤です。 アザミウマ類、アシグロハモグリバエと 同時防除が可能です。 |
この他にもホウレンソウには多くの農薬が使えます。ホウレンソウのシロオビノメイガに適用のある農薬は農家webの農薬検索データベースからほぼすべての農薬が検索できます。
化学農薬以外の防除方法
防虫ネット
播種から収穫1週間前まで透明不織布などの被覆資材をトンネルかけする、施設栽培では寒冷紗や防虫ネット(4~5目程度)で被覆し、成虫の侵入、産卵を防止します。
除草
圃場近くに、フダンソウやイヌビユ,アカザ、シロザなどの雑草があると、そこに寄生します。圃場だけでなく、周辺の圃場の雑草の防除も必要です。
農業アプリを活用しましょう
今まで農業日誌や栽培記録、ノートやパソコンで管理していたという人には、農業に役立つアプリを活用しませんか。農家webの「かんたん栽培記録」アプリはスマホから作物と地域を入力するだけで、防除暦、栽培カレンダーが自動表示。実際の栽培記録はタップ一つで登録可能。自社の「農薬検索データベース」「かんたん農薬希釈計算アプリ」と連動しているので、散布したい農薬をいれればラベルをみなくとも希釈計算も可能で、散布回数もカウントしてくれます。また自分の使っている農薬を登録するだけで、混用が可能な農薬もわかります。
地方自治体から発表される予察情報も反映しているので、農家の防除に役立つアプリです。ダウンロードも不要で、ID登録だけですべての機能が無料で使えるアプリです。ぜひ一度使ってみてください。

この他ほうれん草の病害虫に使える農薬については下記で詳しく説明しています