農業経営

農家の経営 従業員には社会保険・労働保険が必要?

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個人事業主の農家の場合、配偶者や子供などと一緒に働いたり、従業員やアルバイトを雇った場合の社会保険、労働保険に加入する必要があるのでしょうか。ここでは農家の社会保険や労働保険について説明します。

この記事の執筆者・監修者
農家web編集部
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個人事業主の農家の社会保険

個人事業主の農家には、社会保険料の加入義務はありません。よって個人事業主の農家で働く人は、基本的には国民健康保険に加入することになります。

社会保険料は、法人や個人事業主で常時従業員が5名以上の場合は加入の義務があります。しかしこの個人事業主が農家の場合は対象外です。義務はありませんが任意で加入することも可能です。

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個人事業主の農家の労働保険

労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の総称です。

労災保険とは労働者が業務中や通勤中に負傷・疾病・障害又は死亡した場合に、労働者やその遺族のために保険が支払われる制度で、雇用保険は労働者が失業や休業した場合に、労働者の生活を守るために給付金が支給される制度です。

労働保険は雇用している労働者が常時5人以上であれば強制加入です。しかし5名未満でも農業者の方は作業中のケガや事故などのリスクが高いため加入が促進されています。

労災保険の特別加入制度

一般的に労災保険は従業者向けで、事業主本人は対象外ですが、農業者の場合は労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方については、事業主本人も対象となる労災保険の特別加入制度があります。

農業者の特別加入制度は下記の3つの区分があり、いずれか1つを選択して加入します。

特定労働者従事者

特定労働従事者とは下記のすべてに該当する方を指します。

  1. 自営農業者(兼業農家を含む)の方で、年間の農業生産物総販売額が300万円以上または、経営耕地面積2ヘクタール以上の規模を有している方
  2. 土地の耕作・開墾、植物の栽培・採取、家畜(家きん及びみつばちを含む)・蚕の飼育の作業のいずれかを行う農業者
  3. 次に示す農作業に従事している方。
    ①トラクター等の農業機械を使用する作業
    ②2メートル以上の高所での作業
    ③ サイロ、むろ等の酸欠危険のある作業
    ④農薬散布
    ⑤牛・馬・豚に接触する作業

指定農業機械従事者

指定農業機械従事者とは、自営農業者(兼業農家を含む)の方で、次に指定された機械を使用し、土地の耕作、開墾または植物の栽培、採取の作業を行う人をいいます。

①動力耕耘機その他の農業用トラクター
②動力溝掘機
③自走式田植機
④自走式スピードスプレーヤーその他の自走式防除用機械
⑤自走式動力刈取機、コンバインその他の自走式収穫用機械
⑥トラックその他の自走式運搬用機械
⑦次の定置式又は携帯式機械
  動力揚水機,動力草刈機,動力カッター,動力摘採機,動力脱穀機,動力剪定機,動力剪枝機,チェーンソー,単軌条式
⑧無人航空機

中小事業主等

中小事業主等とは、常時300人以下の労働者を使用する事業主、および労働者以外でその事業に従事する人をいいます。
 なお、労働者を通年雇用しない場合であっても、1年間に100日以上、労働者を使用することが見込まれる場合を含みます。

参照:厚生省_農業者のための特別加入制度のしおり

保険料と補償

保険料は全額事業者負担です。保険料は給付基礎日額によって変わります。例えば給付日数4,000円の場合の年間保険料は、特定労働者従事者の場合は13.140円、特定農業機械作業従業者の場合は4,380円、中小事業主等の場合は18,980円となります。

引用:厚生省_農業者のための特別加入制度のしおり

補償内容は農作業中のケガや病気により病院にかかった場合の治療費が無料になること、病気やケガなどにより休業することが4日以上になる場合は、給付基礎日額の80%の休業給付が支給されることなどが主なものです。

まとめ

個人事業主の農家は、社会保険に加入する義務がなく労働保険も従業員5名未満であれば加入の義務がないことがわかりました。

農業労働災害は他の事業と比べて高く、大きな事故や死亡事故も毎年多く発生しています。

社会保険料に入ると保険料は事業主が半分負担するため、負担が大きくなりますが労災保険は比較的少額で補償を受けられ、雇用している人の福利厚生としてだけでなく、事業主本人のためにも検討しましょう。

編集さん
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加入はJAなどの特別加入団体か労働保険事務組合で行っていますので実際の加入時には、内容等確認してからかにゅうしましょう。

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