草刈りは農業者にとって、過酷な重労働です。足場の悪い斜面や、炎天下の中で重い刈払機を振り回して草を刈るのは、危険と隣り合わせです。
ラジコン草刈機は、リモコンの遠隔操作で草を刈り取ることができるため、安全に効率的に雑草を刈り取ることができます。この記事では、小型のラジコン草刈機についてその種類や、特徴、価格などを徹底比較します。
ラジコン草刈機の特徴と種類
ラジコン草刈機は、夏の暑い時でも日陰からラジコン操作で、草を刈り取ることができ労力を軽減することができます。熱中症や、草刈機による事故なども防ぐことができるので安全性にも優れています。
ラジコン草刈機は、法面や斜面などに強いタイプと、ソーラーパネルの下や果樹園など平坦な場所を刈り取るタイプがあります。金額やサイズも幅広く、小型の50万円ほどのものから大型の数百万円するものまであります。
小型のラジコン草刈機
クボタ ラジコン草刈機 ARC-501
クボタの「ARC501」は、最大傾斜40度まで対応できる、法面などの斜面に強いラジコン草刈機で、走行性、パワーともバランスのとれた製品です。小型ながら3.85馬力で、4輪駆動、W車輪、さらに法面角度に応じて自動で車輪が山側に向いて、ずリ落ちを緩和する「等高線アシスト機能」もあるので、急斜面や軟弱地でも安定して走行できます。
また車高も637㎜と低く、旋回性能が高く小回りが効くため、人の作業では草を刈るのに困難なソーラーパネルの下や果樹周りもスイスイ入って、草を刈ることができます。
| 製品名 | クボタ ARC-501 |
|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1,084×855×637 |
| 質量(kg) | 142 |
| 排気量(cc) | 79.2 |
| 燃料タンク容量(L) | 2.05 |
| 刈刃形式 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 |
| 刈幅 | 500㎜ |
| 最大傾斜角度 | 40度 |
| 目安市場価格(税込) | 約1,370,000円 |
共立 ラジコンモア RCM530
斜面草刈機も多く販売している共立からもラジコン草刈機は販売されています。クローラータイプのため、斜面により強く最大傾斜45度まで対応できる、斜面に強いラジコン草刈機です。排気量79.4㏄、3.3馬力のやまびこエンジンを搭載。刈幅も530㎜と広いので効率的に草を刈ることができます。
AMS（アンチ・ミスファイヤー・システム）機能が搭載され、エンジンに負荷がかかりすぎると自動的に、草刈を停止しエンストなどを起こしにくくなります。車高も580㎜と低いため、果樹園やソーラーパネルの下などもスイスイ走行します。刈幅600mmのRCM600もあり、両方ともみどり投資促進税制の対象機械なので、購入初年度の税金負担を減らすこともできます。
オーレックのRCSP530、ISEKIアグリのRCSP530と同等製品です。
| 製品名 | 共立 RCM530 |
|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 970×915×580 |
| 質量(kg) | 138 |
| 排気量(cc) | 79.4 |
| 燃料タンク容量(L) | 1.45 |
| 刈刃形式 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 |
| 刈幅 | 530㎜ |
| 最大傾斜角度 | 45度 |
| 目安市場価格(税込) | 約1,300,000円 |
三洋機器 リモコン草刈機 AJK600
三洋機器は、トラクタ用フロントローダで圧倒的シェアを誇る岡山の企業で、アーム式草刈機や油圧ショベル用草刈機などを製造販売しています。AJK600は、今まで培ったアーム式草刈機の技術と油圧・マイコン制御の技術を組み合わせて開発された製品です。
タイヤはブロックタイヤで、最大40度の傾斜地での作業が可能な斜面に強いラジコン草刈機です。11．8馬力と高馬力なので、30分程度で約300平米の草刈りがも可能です。
遠隔操作200mまで可能で、油圧操舵方式で、作業条件に合わせて無段階の作業スピードが選べ、左右回転、その場旋回も思いのままです。また前後進刈ができるので、回転する必要がなく効率よく作業でき、斜面での姿勢が安定します。
| 製品名 | AJK600 |
|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1260×1165×675 |
| 質量(kg) | 200 |
| エンジン馬力（ps） | 11.8 |
| 燃料タンク容量(L) | 6.1 |
| 刈刃形式 | ロータリー式 フリーハンマー刃 |
| 最大斜面角度 | 40度 |
| 目安市場価格(税込) | 約1,530,000円 |
ゼノア ラジコン草刈機 WM510RC
ゼノアのWM510RCは、最大許容傾斜角は10°ですので、斜面に強いタイプではなく平面で、ソーラーパネルの下や果樹園などで活躍するラジコン草刈機です。
草刈りはエンジン、走行は強力なモーターのハイブリッド方式。エンジンは排気量163㏄のHONDAの4サイクルガソリンエンジンを搭載。走行をモーターにすることで、エンジンのパワーをすべて草刈り部分に使えるのでパワフルで、効率よく草を刈り取ることができます。車高が450㎜と低く、旋回性能が高く小回りが効くため、人の作業では草を刈るのに困難なソーラーパネルの下や果樹周りもスイスイ入って、草を刈ることができます。価格も50万円ほどですので比較的手に入れやすいラジコン草刈り機です。
| 製品名 | ゼノア WM510RC |
|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1,030×670×450 |
| 質量(kg) | 73 |
| エンジン出力(kW) | 1.95 |
| 燃料タンク容量(L) | 1.4 |
| 刈刃形式 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 |
| 刈幅 | 510㎜ |
| 最大斜面角度 | 10度 |
| 目安市場価格(税込) | 約460,000円（バッテリー・充電器別売） |
ササキ 電動リモコン作業機 スマモ
ササキコーポレーションは、青森に本社を置く1901年創業の老舗の農業機械と環境機器の開発・製造・販売メーカーです。本体に走行機本体にアタッチメントをつけることで、草刈機、際刈機、畦草刈機に使えるラジコン草刈機です。また電動式で、充電バッテリーで稼働するので騒音や排気ガスが気になる駐車場や公園などの住宅地でも、使うことができます。
草刈や畔草刈りならバッテリー1個で1時間使用が可能で、2個搭載することができます。充電時間は2時間ですので、連続して使いたい場合はバッテリーを4個で充電しながら使うことで連続使用が可能です。
スマモの車高は400㎜とかなり低いので、草刈アタッチメントをつけて果樹園やソーラーパネルの下など人の手が届きにくい場所も楽に草を刈り取ることができます。畦草刈りアタッチメントをつければ、2つの刈面を別々に動かすことができるので、畦と法面と同時に刈ったり、両側の法面を刈り取ることも可能。最大傾斜35度まで対応できるので、斜面でも使える使い勝手のよいラジコン草刈機です。
| 製品名 | スマモ RS400+M700 （走行部+草刈アタッチメント） | スマモ RS400+AZ720 （走行部+畔草刈アタッチメント） |
|---|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1480mm×400mm×845mm | 1373mm×400mm×864mm |
| 質量(kg) | 128 | 129 |
| パワー | 300W相当 ×2 | 300W 相当 ×2 |
| 作業面積（1時間当たり） | 約840㎡ | 約840㎡ |
| 刈刃形式 | フリーナイフ ８枚 | フリーナイフ ８枚 |
| 刈幅 | 716mm | 717mm |
| 最大斜面角度 | 35度 | 35度 |
| 目安市場価格(税込) | 約1,400,000円（バッテリー1個付） | 約1,400,000円（バッテリー1個付） |
小型 ラジコン草刈機 比較
| 製品名 | クボタ ARC-501 | 共立 RCM530 | 三洋機器 AJK600 | ゼノア WM510RC | スマモ RS400+M700 |
|---|---|---|---|---|---|
| 機体寸法:全長×全幅×全高(mm) | 1,084×855×637 | 970×915×580 | 1260×1165×675 | 1,030×670×450 | 1480×400×845 |
| 質量(kg) | 142 | 138 | 200 | 73 | 128 |
| パワー | 3.85ps | 3.3ps | 11.8ps | 4.4ps | 300W相当 ×2 |
| 燃料タンク容量(L) | 2.05 | 1.45 | 6.1 | 1.4 | ー |
| 刈刃形式 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 | ロータリー式 フリーハンマー刃 | ロータリー式 フリーナイフ 4枚 | フリーナイフ ８枚 |
| 刈幅 | 500㎜ | 530㎜ | 600㎜ | 510㎜ | 716mm |
| 最大傾斜角度 | 40度 | 45度 | 40度 | 10度 | 35度 |
| 目安市場価格(税込) | 約1,370,000円 | 約1,300,000円 | 約1,530,000円 | 約460,000円 （バッテリー・充電器別売） | 約1,400,000円（バッテリー1個付） |
