農業経営

農家の資金繰り スーパーL資金 近代化資金との違いは?

農業経営

個人事業主の農家は、日々の運転資金や設備投資などがあり資金繰りが重要です。ここでは農家の経営改善に特化したスーパーL資金(農業経営基盤強化資金)について説明するとともに、同様に農家のための低金利の借入金「近代化資金」との違いについて説明します。

この記事の執筆者・監修者
農家web編集部
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スーパーL資金とは

スーパーL資金とは、農業の経営改善を達成するために必要な資金を、長期かつ低金利で融資する認定農業者のための借入金で、正式名称を「農業経営基盤強化資金」といいます。

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スーパーL資金と近代化資金の違い

農家向けの低金利の借入金には近代化資金もありますが、両者の違いはなんでしょうか。

一番の違いは、融資を受けられる人はスーパーL資金は認定農業者でなければ借りられませんが、近代化資金は農業者であれば認定農業者でなくとも借りられること。その他近代化資金は土地の購入の資金や負債の整理として借りることができませんが、スーパーL資金は借りることができます。

その他の違いは下記のとおりです。融資金額や借入期間などに違いがありますが、認定農業者以外であれば「近代化資金」、認定農業者の人は借入金額・用途・金利・期間で比べて選ぶとよいでしょう。

項目スーパーL資金     近代化資金
貸付対象者認定農業者農業を営む者
資金使途農地等の取得、改良・造成資金
施設・機械取得資金
果樹・家畜等購入育成費用
その他経営費用
経営安定化資金(負債整理含む)
法人への出資金
建構築物等造成資金
果樹等植栽育成資金
家畜購入育成資金
小土地改良資金
長期運転資金
その他農林水産大臣が認めた資金
借入限度額3億円(特認6億円)1,800万円(特認2億円)
償還期限
(借入期間)
25年以内
(うち据置期間10年以内)
資金使途に応じ7~20年以内
(うち据置2~7年以内)
融資率100%認定農業者:100%
認定農業者以外:80%
金利一般:0.55%~1.10%
特例:0%
1%程度(都道府県による)

スーパーL資金を借りられる条件は

スーパーL資金は、認定農業者であり長期の資金が必要な人が対象というのがわかったところで、借りられる条件について説明します。

参考:日本政策金融公庫「スーパーL資金」

貸付対象者

認定農業者(簿記記帳を行っているまたは行うことが条件です)

資金使途

農業経営改善計画の達成に必要な次の資金
ただし、経営改善資金計画を作成し、市町村を事務局とする特別融資制度推進会議の認定を受けた事業に限る。

  • 農地等の取得、改良・造成資金
  • 施設・機械取得資金
  • 果樹・家畜等購入育成費用
  • その他経営費用
  • 経営安定化資金(負債整理含む)
  • 法人への出資金

貸付限度額

個人の農業者の場合は、3億円(特認6億円)

償還期限(返済までの期限)

25年以内(うち据置期間10年以内)

融資率

100%

融資率とは資金使途に対しての融資が受けられる金額です。

金利

一般:0.55%~1.10%
特例:0% (貸付当初5年間の金利負担軽減措置)

地域計画のうち目標地図に位置付けられた等の認定農業者の場合には、貸付当初から5年間利子が0%になる金利負担軽減措置が認められることがあります。

取扱金融機関

日本政策金融公庫

補助金・助成金の情報も確認してみましょう

農家向けには、資金の補助に国や地方公共団体の補助金や助成金を使える場合もあります。市町村などで独自に補助している場合もありますので、HPなどを確認してみましょう。

農家web補助金データベース

農家webでは、農業で利用できる補助金情報をまとめたポータルサイト「農家web補助金データベース」を構築、運営していますのでこちらからも検索が可能です。

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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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